毎週発売される週刊ビジネス誌の特集で「貧困問題」を取り上げることが増えてきました。
最近ですと、週刊東洋経済の2015.4.11号があなたを待ち受ける貧困の罠という特集を組み、日経ビジネスの2015.3.23号が2000万人の貧困 必要なのは「福祉」より「投資」という特集を組みました。
週刊東洋経済と日経ビジネスは両方とも週刊ビジネス誌にも関わらず、貧困を特集にしてしまう様です‥。
本来なら、アベノミクスやら、最近著書を出した経済学者ピケティなど経済回りの特集を組んでもいいですが、5年前くらいからビジネス誌が介護や老後をテーマにすることが多くなりました。
世の中が複雑になってきて、単純に経営や経済でない分野にも経済的な要素がでてきたということでしょうか‥。
ここ1.2年の間に、ビジネス誌だけでなくマスコミ全体が「貧困問題」をテーマとして取り上げるようにもなりました。
本屋に行くと貧困のテーマで書かれた新刊も多く見かけます。
アベノミクスや景気回復などの言葉が頻繁聞かれ、景気回復の影響からの人手不足、直近では株価が2万円に迫っている状況なのに、流れが逆の方向の「貧困問題」が取りざたされているのを見ていると不思議な感じに思えます。
去年NHKの「クローズアップ現代」では、貧困問題をテーマにした番組を作り多くの反響を受けました。
最近、その番組を単行本にまとめ本屋に並んでいるのも見かけました。
子どもの貧困、女性の貧困をテーマに書かれている特集記事を見かけますが、そういった記事の多くは、どれだけ悲惨かをアピールするかのように書かれていることが多く、不安心理を煽ることで興味を惹こうとしている感じがして少し違和感を覚えます。
こういった状況は、景気が回復して雇用環境が改善してくれば収まってくるのでしょうか‥。
子どもの貧困が増えてきているのは現実のようです。
子どもは、教育を受けるべき時期に教育を受けられないと、その後の学習で遅れを取り戻せない状況になってしまう可能性があります。
そういった子どもたちやその家族が一番取るべき方法は、相談にのってくれる窓口に行ったり、頼りになる相談者につながるように動くことです。
私は現在地域包括支援センター(包括)で働いていますが、地域の高齢者が生活保護の対象となっていることは、私の地区に限らず全国的に一定の割合でいます。
包括は必ず地域に中学校と同じエリアくらいに設置しなければならないので、全国にほぼ設置されています。
私たちは、お金の相談に対して直接支援することはできませんが、生活に困っている方から相談を受けた場合は関係機関につないだり、情報提供することをできます。
包括の子ども版である、子供家庭支援センターは全国的に包括ほど設置数は多くありません。
介護保険のように子どもやその家族を支援するサービスなど勿論ありません。
実際問題として、子どもの貧困が今後大きな問題になる可能性があります。
そういった場合、子供家庭支援センターの一部の機能を包括の窓口が兼務するなど早急な手立てがでてくるかもしれません。
子どもやその家族の支援については、介護保険や手厚い行政サービスがある高齢者のようには進んでないのが現実です。
包括をほぼ全国に配置が済んでおり、今後は高齢者の増加に合わせて分割している段階です。
子どもの支援について、国がどれだけの意識があるかで今後の動きが変わってきます。
現在の人手不足の状況が、雇用を望む多くの方に雇用の機会が得られることと、非正規雇用から正規雇用に転換する流れになることを期待します。
こちらがNHKがテレビ放映した内容をまとめた本です↓