今年になってから発表された介護報酬の引き下げは、怒りを通り越して呆れている私がいるので、少し冷静になってからそのことについては、お話ししようと思っていたところ、またイラッとくる話しが出てきました。
今までEPA(経済連携協定)で、インドネシアやフィリピンなどアジアの方たちに日本に来てもらい、介護福祉士候補として学び、更に日本語の勉強を並行して学び、最終的に日本語で介護福祉士試験を受けていただき、合格者のみが働けるという超ハイレベルなハードルを設けて、人材を育ててきました。
それが介護業界の人材難を理由に厚生労働省が、介護現場で働く外国人の受け入れを増やす対策案をまとめました。外国人が働きながら日本の技能を学ぶ「外国人技能実習制度」の対象職種を、介護にも広げるということ考えです。
実習生は最長5年受け入れ、一定の日本語能力を求めますが、入国時点では小学校低学年程度の基本的な力で認めるように、要件を緩めることも決めました(介護福祉士試験受けさせてたのはいったい‥)。2015年度中の施行を目指すとのこと(やることが付け焼刃です)。
介護業界が人材難な理由は、一番は給与などの待遇の悪さと明確に答えがでているのに、そこに踏み込まずに外国人で何とか賄おうというのは、以前に日本が米の不況で米不足に陥った時に、タイ米でその場を凌ごうという考えと同じです。
勿論、人間と米を比較するべきではないのですが、介護業界のことを本気で考えていないような気がします。
ちなみに、緊急で輸入したにも関わらず、タイ米は人気がなく、ほとんどの方は食べなかったような気がします。
結局、劣悪な雇用環境である業界に対して、外国人で穴埋めをしようとしているだけです。
仮に大量に外国人を雇用したとしても、外国人への賃金の未払いや、夜勤など体の負担が大きい業務を押し付けようという経営者が必ずでてくるはずです。
一応、受け入れは設立後3年を経た介護施設に限り、訪問介護では認めないみたいですが‥
施設で人手不足が深刻なのは夜勤業務ですが、業界が自主的に作る指針に基づき、実習2年目以降に限って就けることとしたそうです(多分現場ではそんなこと言ってられなくなるはず‥)。
介護業界は、これから暗黒の時代に突入する危険が出てきました。
次回は、もう一つの頼みの綱 介護ロボットについて書きます。