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介護保険の申請をおこない、介護度が認定される前でも介護サービスを利用できます
認定結果(介護度が判明する)を待たずに、ヘルパーを利用したり、住宅改修で廊下に手すりを設置することなどを介護保険サービスの暫定利用と言います。
本人や家族が希望される場合に、このような手続きを進めます。
すぐに介護保険サービスを利用したい場合に限ります。
介護保険の概要についてはこちらをご覧ください↓
とても注意しなければいけない点が一つあります
介護保険を申請し、認定結果が自立という認定がでてしまう場合もあります。
自立というには、申請された高齢者の方がどこにも大変な部分がなく介護を受ける必要がないと判断されたということです。
通常は介護サービスを利用した場合、利用者の負担は1割ですが、介護保険の対象者とならなかったために、介護保険を使えなくなってしまいます。
介護保険を使えないので、すべての利用負担をしなければならず、全額自己負担ということになり、10割負担となってしまいます。
家の中に手すりをつける工事のことを住宅改修といいます
住宅改修で自宅に手すり付けたりトイレを洋式に変えて合計10万円費用がかかったとします。
通常は介護保険を使った場合、1割負担となり1万円で済みます。
介護保険の申請して自立になってしまった場合、全額自己負担となり10万円の費用負担が発生してしまいます。
暫定利用の場合、後から大きな費用が発生する場合があるので注意が必要
全額自己負担になり、10割の負担を支払う必要となる怖いケースも起こりえますので、暫定利用する場合は介護の計画を立てるケアマネジャーは十分に本人や家族にリスクを伝えた上で手続きを進めます。
それでも暫定で介護保険サービスを希望される方が少なくないのは、すぐにサービスを使いたいからです。
要するに、介護保険の認定がでるまで待ってられずに、すぐに家に手すりをつけてほしいとか、ヘルパーさんに買い物に行ってほしいなどと切羽詰まった状況におかれているので、暫定でサービスを使いたいのです。
通常介護保険を申請してからどのくらいの期間がかかるのでしょうか?
介護保険を申請すると、被保険者の自宅や病院に認定調査のために調査員が来ます。
おおよそ30分から1時間位の時間で体の状態やもの忘れの症状などを伺います。
認定調査は日程さえ決まれば、それほど時間がかかりません。
調査員が調査をした記録書を、市町村にすみやかに提出していただければ問題ないからです。
もう一つ介護保険をした場合の手続きとして、かかりつけ医の先生に意見書を書いていただく必要があります。
かかりつけの先生が本人の医療に関する情報を意見書に書いていただき、市町村に送ってもらう必要があります。
意見書を先生が書くのが遅かったりすると、時間がかかってしまいます。
調査票と意見書の二つが揃い、市町村が任命したメンバーによる介護認定審査会が開かれ、介護度が決定します。
その後介護保険証が被験者の自宅に届きます。
これだけの工程で期間が1~1.5ヶ月かかります。
病院から退院してくるので介護用ベッドや車いすをすぐに用意して欲しいとなった場合
私の勤務している地域包括支援センター(包括)には、患者の退院後の支援で関わってほしいと病院から相談の連絡が入ることが少なくありません。
退院までの日程に余裕があれば、慌てる必要はありませんし、事前に介護保険の申請を早めに進めていれば退院時には認定結果が判明すれば問題ありません。
ただし、病院から「今週末に退院なんだけど介護用ベッドが必要です。介護保険の申請はこれからです。」と相談されると否応がなく暫定で介護保険サービスを利用して対応することになります。
暫定利用した場合、介護保険の利用開始日は介護保険の申請日となります。
判明した介護度(たとえば要支援2、要介護3など)で、申請日からさかのぼって計算されますので、自己負担が発生がすることはありません。
今後、身内の方や知り合いにすぐに介護保険の利用が必要になった時などは、今回のようなルールを頭の片隅に残しておいていただければと思います。
最後までご覧いただきありがとうございました。