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ワタミは外食事業で巻き返しが果たせず、介護事業を売却するか‥

2015年6月30日

ワタミの今期の連結最終赤字は128億円

最新の記事を公開しました 予想どおり、ワタミが子会社の「ワタミの介護」手放しましたね‥ H27.9.10 更新

上場以来の経営危機にある居酒屋チェーン大手のワタミは、ここ数年の店作りで迷走して客離れが続いています。
昨春までに踏み切った店作り変更が客離れを招き、販売減につながっています。
40代前後の客層を取り込むため「和民」の店内をシックな内装に変え、1品1000円を超す商品を投入するなど客単価の引き上げを狙ったところ、中高年客は想定ほど増えず、半面で学生の利用が大幅に減ってしまいました。
調理の工程が複雑化して商品提供が遅れるなど、サービスの質低下も痛手となりました。

そこで、今春からは再び低価格中心のメニュー構成に戻し、店舗作業の負担を減らすため品目数を約2割削減しましたが、今度は「メニューが減りすぎて食べたいものがなくなった」と不満の声が上がっているとのこと。
なかなかうまく軌道に乗らない様子です。

居酒屋は競争が厳しい市場で、主流は専門居酒屋に移っています

メニューを調べてみると、一番高いメニューで刺身盛り合わせ990円で、他のメニューは400~500円位のものが多く、悪い意味で典型的な「総合居酒屋」のメニューになっています。
今秋に計画するメニュー刷新で起死回生を狙い、方針は「総合居酒屋への原点回帰」とのことですが、総合居酒屋を目指す時点で世の中の流れと逆行しているようにも見えます。
そもそもワタミが長期低迷に陥ったのは、「和民」に代表される総合居酒屋が消費者に飽きられ、特色ある競合チェーンに客を奪われたのが最大の理由とされます。
焼き鳥の「鳥貴族」や鮮魚の「磯丸水産」など、勢いのある居酒屋チェーンは専門性を打ち出して成功しています。

さまざまなメニューを満遍なくそろえ、誰でも使える居酒屋として主力の「和民」を再生させる戦略があだにならないことを願います。

「今度のメニュー変更は絶対に失敗できない。外食事業の黒字化を何としてもやり遂げる」。ワタミの清水邦晃社長は今年9月に予定する「和民」「坐・和民」のメニュー刷新についてこう決意を述べています。
ワタミの既存店売上高は4~5月も前年同期比で11%減少し、失敗が許されない状況にあります。

国内店舗の約5割に当たる300店は「和民」「坐・和民」が占めるだけに、総合居酒屋の復活は避けて通れませんが、ブラック企業という肩書が絶えずついてまわるので、黒字回復は相当の難易度のような気がします。

「介護事業を売却したらどうか」「増資は検討しないのか」――。22日に開いた株主総会では、株主から財務改善に関する質問が出ました。株価はここ1年で約3割下落しており、株主がいらだちを募らせるのも無理もありません。
清水社長は「いろいろな話が持ち込まれているのは事実だが、今は事業再建に全力を注ぐ」とかわしましたが、今後創業である居酒屋を含む外食事業を立て直さないと、総崩れになってしまうので、外食事業以外を一旦手放す決断するかもしれません‥。

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