平成26年4月から放映されたNHKドラマ「サイレント・プア」という番組をご存じでしょうか。
主演は深田恭子さんが演じられた、地域福祉を題材に扱うドラマでした。
このドラマは、大阪府豊中市にある社会福祉協議会が取り組んでいる地域活動を参考にして作られました。
担当する職員は「コミュニティーソーシャルワーカー」という職種で地域で活動されています。
ちなみに、活動の中心のメンバーの方は、社会福祉士です。
「コミュニティーソーシャルワーカー」とは、地域で暮らす個人や、またその家族が抱える生活上の課題に対し、個別の支援をするとともに、それらの人々が暮らす環境の整備や住民の組織化といった地域支援を、チームアプローチで統合的に取り組む人材です。
制度の狭間の問題を公民協働で解決していく活動です。
もし、「コミュニティーソーシャルワーカー」が自分の働いている地域にいたら、とても頼もしい存在だなと羨ましく思えました。
私は現在、地域包括支援センター(包括)で勤務しておりますが、介護の相談だけでなく、経済的な問題(収入、貯蓄がなく困っているなど)、就労の問題(働くところはないかなど)、対象が高齢者(65歳以上)というだけで、いろいろなところから相談を受けます。
役所も高齢者という括りで、相談者の年齢だけを伺って「包括に相談して下さい」と内容うんぬんではなく、年齢だけでそのまま振られたりするので、相談内容に応じて再度役所の該当する担当部署に連絡してつなぎます。(障がいの相談や生活保護の相談などは行政内にある窓口で対応しなければならないものは、もう一度相談に行っていただくので、相談者に二度手間を取らせてしまうこともあります。)
包括は全ての相談を受けられるわけではないので、相談内容によって振り分けて包括でできることと、できないことを伝えるのも仕事の一つとなりますし、うまく誘導しないとクレームにつながります。
特に、包括に来られる相談で難しいのは、経済的な相談です。
もの忘れが進んでお金の管理ができなくなったり、収入が少なくて生活がギリギリだけど一人暮らし生活ができなくなったなどという相談を、制度を利用する時間さえない位切羽詰まった状態で相談されるケースも少なくありません。
従って、例外的に一時的にお金の問題を包括で担うこともでてきます。
いろいろご法度なことも緊急でやらざるを得ないことをありますので、行政に報告しながら慎重に進めていきます。(ギリギリなこともやっていますので詳しくは説明できません‥。)
包括の仕事は、いろいろな仕事をこなさなくてはいけないのですが、その分飽きることなく、地域のいろいろな方たちとつながりもでてくるので、大変ながらも楽しい仕事です。
包括で初めて勤務したときは、何をしていいかまったくわかりませんでしたし、相談されても何を言っているのかもよくわかりませんでした。ひたすら相談を受け続けて、少しずつ理解できるようになりましたが、今でもわからないことが少なくありません。
是非、包括で勤務可能な資格をお持ちの方は、こんな楽しい職場で一度働いてみませんか?