介護に携わる職員の数は、高齢化がピークを迎える2025年度時点で30万人程度不足する見通しであることが、厚生労働省(厚労省)の調べでわかりました。
各都道府県の推計によるもので、25年度には約250万人の職員が必要ですが、現状のままでは供給が追いついていません。
厚労省は15年度から職員の賃上げや介護未経験者の活用といった対策を強化し、人手確保を急ぐとのこと。
介護職員は、13年度で非常勤も含め約177万人。仕事の労力が重い割に賃金水準が低く、慢性的に人手不足が続いています。
厚労省によると昨年11月の介護サービスの有効求人倍率は2.51倍で、全産業の2倍以上です(どこの施設も大変な思いをしています)。
一方、介護が必要な高齢者は軽度の人も含め約564万人。
団塊の世代が75歳以上になる25年度にはさらに膨らみます。
厚労省の推計では、25年度時点で約250万人の介護職員が必要になります。
厚労省はこれまで12年度時点の数から100万人増やす必要があるとしてきましたが、25年度にどれだけ職員数が確保できるかの見込みはありませんでした。
そこで各都道府県に推計を求めたところ、25年度時点の職員数は220万人程度となる見通しがわかりました。
12年度時点からは約70万人増える計算ですが、それでも必要人数には30万人足りません。
介護職員の不足を埋めるため、厚労省は15年度から職員の賃金を1人あたり平均月1万2千円上げる賃上げを実施します(現状の給与が安すぎるので焼き石に水かもしれません)。
サービス単価である介護報酬を改定しますが引き下げる方向で回答がでました(これだけ雇用問題が大きいのに経営的には厳しい環境になります)。
さらに都道府県に設ける介護サービス向けの基金を使い、介護未経験の高齢者や女性に研修を施したり、若手が辞めないよう企業内保育所での子育て環境を整える計画があります(何でもありの状況です)。
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話しを戻します
他には介護職員の登録制度を設け、いったん辞めても再就職を促せる仕組みもつくります(看護師も今後登録制度の整備を行います)。
この介護職員不足の根本的な問題としてはやはり給与などの待遇が他の業種などに比べて劣悪にも関わらず、不景気時の雇用の受け皿となっていたため、早急に解決しようと取り組んでなかったからではないでしょうか。
介護業界の人材確保は給与面などの待遇を改善しないと、問題は解決しないような気がします。
日本の人口減少はどんどん加速していきますので、介護業界に留まらずどの業種も人手不足の問題は慢性的に続く可能性が高いです。
フィリピンやインドネシアなどの外国人に介護福祉士などの資格を取得する(経済連携協定(EPA))ことで、日本で働く方たちを大量受け入れぐらいしか特効薬がないかもしれません。(但しそれなりの教育コストはかかります)
こういった人手不足の中で、住み慣れた地域で暮らすという今後の介護政策は現実的に厳しくなりそうです。
効率的に介護をするのであれば、同じ場所に高齢者を集めたほうが介護のマンパワーが少なくて済みます。
そうなると、施設に入居してもらい暮らす方向に戻ってしまいます。
但し、今後増えていく高齢者に見合うだけの数の施設を作ることは財政的に不可能です。
早く手を打たないと、多くの介護サービスの事業所が人手不足を理由に、利用人数を制限したり、サービスそのものを中止せざるをえなくなります。
現在においても入所施設で、受け入れる部屋があるのにも関わらず、入居者人数を制限しているところもでてきています。
介護の仕事は好きだけど、この給料じゃ食べていけないと離職する人は少なくありません。
介護業界が普通に生活できる水準の給与待遇になることを一刻も早く望みます。