2014年7月18日付けの日経MJというマーケットなどのトレンド情報を扱う専門紙で、「高齢者向けの配食サービス」7社の食べ比べをおこなった結果が1面に掲載されました。
結果から申し上げると、「ワタミの宅食」(以下ワタミ)は7社の中でも同率1位(2社)の高い評価を得ていました。
評価は、「味・量」「価格」「おもてなし」「利便性」の4項目。◎と○と△の3段階での評価。
ワタミは、「味・量」「価格」で◎が2つ付きました。
同率で評価が高かったのが、日清医療食品の「食宅便」(以下日清)で「味・量」「おもてなし」で、◎が2つ付きました。
紙面でのワタミへのコメントは、「週5日から(注文できる単位)。『味・量』はまあまあ充実。まごころスタッフは男性だったが律儀、到着時間が一定」と書かれていました。
配達員が男性というのは、仕事自体が業務委託し車持参して仕事をおこなうこともあり、気軽に始めたり辞めづらい状況なので、男性しか集まりづらいというのが本当のところではないでしょうか。ちなみに、私が仕事をしている地域の配達員の方も男性でした。
今から半年前の新聞記事ですが、実際に記者がお弁当を自宅で注文した内容をレポートしていましたので、偏った評価はされてないと思います。記者が注文した地域の宅配エリアは質が高かったということでしょうか。(これだと先日の記事と繋がらなくなってしまう‥)
最近のワタミの状況を知りたいと思い、2014年12月におこなわれた決算説明会資料をHPから見ると、外食、介護、宅食の全てにおいて業績が下がっておりました。
業績の悪化を受けて、外食の和民などの店舗は、2014年3月に646店舗あったものを、2015年3月までに554店舗にまで減らすこととなり、期初計画の50店舗より更に42店舗追加決定をしました。閉鎖による余剰人員は利益率が高い店舗に再配置するとのことです。
宅食の決算説明は、わかりやすくなっており、自分たちでできてなかった部分を提示し、今後の課題が明示されていました。
2014年度(第29期)上期決算を発表いたしました。決算説明会資料を掲載。(PDFファイル) HPより引用
以下一部抜粋
●2014年度取り組みの振り返り
①商品ラインナップの充実による顧客層の拡充 (×)
⇒ 「まごころこばこ」で裾野拡大も食数増につながらず(※まごころこばこはカロリーに配慮した和食中心のお手頃弁当のこと)
②まごころスタッフ数の増加に向けた取り組み強化 (×)
⇒ 施策の効果なく、増加に至らず
③TVCMなどブランドイメージ向上の取り組み継続 (△)
⇒ TVCMの新規獲得効果が希薄化、抜本的見直し必要
他にもいろいろな解決策が書かれておりますが、スタッフの車、ガソリン代などの実費負担の軽減などは明記されておりませんでした。
この会社は、本人は経営に関与していないと発言していますが、多くの指示を創業者の渡邉美樹会長が行っている可能性が高いです。
世間からの今までおこなってきたことによる厳しい眼差しを、いい方向に変えていくには、顧客へのサービス改善よりも、業務に従事している従業員に対しての対応や待遇を変えた方が、長いスパンで考えると、いい結果がでるような気がします。
宅食の配達スタッフに関しても、経営者が自身にその待遇を突き付けられて、快く引き受けられるものかを考えれば、答えは違ってくるような気がします。
ワタミの会社が逆風の中、どういう方向に進んでいくのか大変興味があります‥。