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「ワタミの介護」を買収した損保ジャパンが、転落死があった「メッセージ」を買収

2015年12月26日

損保HDの介護会社(SOMPOケネクスト+メッセージ)が、介護業界で2位の規模になりました

ちなみに、SOMPOケアネクストとは以前の「ワタミの介護」のことです。

2014年度の有料老人ホーム売上高2位のメッセージは子会社が運営する老人ホームで起きた転落死や虐待事件で、ブランドが失墜したため経営立て直しが必要に迫られていまいた。

12月18日に、メッセージのHPサイトより損保ジャパンHDによる株式の公開買い付けに賛同の意見を表明しました。
損保ジャパンHDによる買収に合意したということになります。

一度、事件が明るみになると入居者を維持することが難しくなりますし、信頼を回復しようとしても相当の年月を費やすことが予想されます。

一度悪いことが起きると、目の前のサービスが素晴らしくても、なかなか周りからは認めてもらえなくなります。

今回のような事件が起きた場合、経営的に考えると、事件を起こした会社の信頼感がまったくなくなりますので、会社を丸ごと売却して看板を建て替えた方が、信頼と入居率が回復する可能性が高いです。

入居率が下がる前に、少しでもいい状態で売却すれば、売却金額が少しでも高くなるかもしれません。

事件が明るみになったのは、今年の9月でしたので3ヵ月でメッセージは決断したことになります。(スピード決断は経営的に正しいかもしれません‥)

メッセージは有料老人ホーム以外に、軽い介護度の方は入居する、サービス向け高齢者向け住宅(サ高住)で強みをもっており、他の介護保健サービスでも居宅介護支援(ケアマネジャーの事業所)、グループホーム、訪問介護(ヘルパー)など、幅広く事業を行なっている会社でした。

損保HDは、今年の10月にワタミから、「ワタミの介護」の買収発表をしたばかりでした。

ワタミが介護事業を手放したのは、祖業である居酒屋などの外食事業の売上が改善しないことと、若い社員が自殺したことなどから「ブラック企業」批判の影響が介護事業にも影響を及ぼし入居率が改善しないことが理由です。

「ワタミの介護」も、メッセージが持つ介護施設や介護サービスも、今まで保有していた会社から手を離し、新しい会社のブランドに替えて出発した方が、負のイメージを払しょくでき、新しい会社として再評価され、信頼が回復できればという思惑があると思います。

大手損害保険会社のグループ会社となることは、買収前から利用している顧客にとっても安心感につながるかもしれません。

是非、損保ジャパンのグループ会社となった「メッセージ」には、早急に職員の意識改革を行なっていただき、介護全体のイメージが回復するくらいの企業努力を行なっていただきたいと思います。

今回メッセージの子会社が起こした事件は、特定の施設の問題というだけでなく、介護施設全体のイメージを悪化させたような気がします。
他の施設でも平気で虐待などを行なっているかもしれない、と疑念を持たれるニュースだったかもしれません。

介護業界は、介護保険が施行された2000年から短期間で一気に大きな市場なった業界です。
まだまだ待遇や職員の意識などの改善が必要な業界だと言える状況です。

ここ数年で、介護会社のM&Aがさかんに行なわれており、異業種が買収するケースが増えております。
「ワタミの介護」やメッセージのように、規模が大きい会社の買収金額は大きくなります。
さらに、買収できるだけの資金が潤沢にある会社となると、自然と大手の異業種の会社という選択肢になってしまいます。

今回の件は、まず信頼を回復することが一番なので、大手異業種会社に買収された後は、サービスの質を上げていくなど、地道な努力を積み重ねるしかありません。

介護業界の夜明けは、まだ先かもしれません‥

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